駐車場所で身支度です。何より万全のヒル対策を行わないと・・・。他のメンバーもそれぞれ忌避剤を靴やその周辺にスプレーし
ています。皆さん、パンスト、タイツ、厚手の靴下・・・など、色んな対策をしています。私は地下足袋頼りですが、地下足袋だけ
でなく、靴下やズボンにもスプレーしました。私はヤマビルファイターです。あと、ヤマビルジェットも持っていきます。ヒル下が
りのジョニーも活躍してました。
　駐車場所から谷までは林道歩きです。七色貯水湖のレンタルボート屋を通り、少し行くと飛び入りです。若鹿が数十ｍを先導して
くれました。ますます吸血鬼の予感・・・。１．４ｋｍの橋の手前で、山道に入ります。やはり居ました・・・前を進むＯ氏の靴で
うごめくのは、間違い無くヤマヒルです。ヤマビルファイター（忌避剤）の効果を期待しつつ進みます。

　１８０ｍ程進んで、砂防堰堤の上で河原に。そこからは河原を進みます。３００ｍ弱、左岸の枝谷を過ぎると左岸に平地(杉人工林)
があるので、そこから小尾根を登ります。
　標高差で７０ｍ程登ると横道があります。そこには、白い木杭、黄色いプラスチック杭、火の用心看板があります。谷向かいの上方
には、左又大滝が垣間見えます。今回は左又大滝はパスします。

　横道を少し進み、後続を待っていると思わぬ事件が・・・。突然、えっちゃんが「痛い」と・・・。飛び回っていた虻に刺されたの
かと思ったのですが、スズメバチでした。続いてやってきたきみちゃんも・・・。慌てて移動、ポイズンリムーバで毒を吸い出して
軟膏で手当。秋でもないのでまさかと油断していました。痛みは続いたようですが、大事に至らずに良かったです。女性陣には気の毒
でした。
　小尾根で見かけなかったヤマヒルも、立ち止まるとうごめいています。見つける度にヤマヒルジェット（殺ヒル剤）で、昇天させま
す。
　やがて横道は谷に消えます。横道の最終点には無名滝が落ちていました。無名滝からは、ゴーロ帯を突破し、滝手前で左岸を進みま
す。

　突然、谷が袋小路状態に。そして、左遙か上方から滝が落ちていました。摺子谷大滝です。圧巻です。大杉谷、千尋滝を見上げたと
きの感覚を思い出しました。横道の途中から降り出した雨が邪魔です。どうしてもカメラのレンズに雨粒が付きます。

　さあ、帰りましょう。順調に横道を下ります。左又大滝はあきらめたけど、中流域の滝はあきらめきれない。他のメンバーには
そのまま下山をお願いして単独行動です。横道の途中から、杉林を下降します。スパイク地下足袋のくい込みが悪いのか、２回ほ
どプチ滑落。ヤマビルジェットを紛失しました。帰って確認するとスパイクがすり減っていました。降下地点は上流も下流もゴー
ロ帯です。それも、大きい・・・。遡行するにつれて傾斜がきつく、ゴーロも大きくなります。シャワーまがいも必要でした。
　谷はどんどん立ってきます。渓流瀑状態・・・そして、また袋小路です。正面には枝谷が落ちている。本谷は？　左に折れてい
るのかと思った谷は、右に折れていました。そこに滝が落ちています。見事なゴルジュに落ちる滝です。前衛滝を越えると、右側
に１段目があり、その奥、３方が岩壁に囲まれた部屋に、左から滝が落ちています。仮に「摺子谷ゴルジュ滝」とします。見事な
滝です。形的には大滝より素晴らしいです。私好みの滝でした。

　１段目を登って見たいけど、一人では危険です。取りあえず見られたと云うことで満足して帰ります。

　山道入口の林道で、皆さんに追いつきました。みなさん、ヒルチェックに忙しそうです。
全員の靴（ヒモタイプの沢靴）に、ヒルが入っていたようです。あとは手袋・・・。駐車場
所での確認では、Ｔ氏のみ足に２箇所の献血がありました。
　私はヤマヒルの持ち帰りはありませんでした。多分、隙間のない地下足袋の効果だと思い
ます。地下足袋は優れもんです。